新宿区神楽坂の税理士ブログ

2017.06.15更新

今年は本当に雨が多いですね…。
日本気象協会の長期予報によると、この先1ヶ月も平年に比べ雨が多く、晴れの日は少ないようです。秋の晴れ間が恋しいですね。

さて、3月決算の会社では、早くも1年の折り返し地点に来ました。上半期の実績が出て、下半期の売上予測も確度が高くなってきたところで、今年度の決算着地が見えてくる頃ではないでしょうか。
そこで今日は、「今期は思ったより利益が出そうだ!」と思われた皆さまに、是非ご確認いただきたい青色申告の特典!「少額減価償却資産の特例」について、お話しさせていただきます。

この少額減価償却資産の特例は、購入した資産の金額が30万円未満であれば、その全額を、購入して使い始めた事業年度の損金としても良いですよ、という制度なのです。この制度がどのくらいすごいかということを、以下の例で実感していただきましょう。

通常、10万円以上の資産を購入すると、固定資産として貸借対照表に計上し、耐用年数にわたって減価償却計算を行い、損金にすることとなります。従って、例えば決算対策として決算月に28万円の応接セットを買ったとしても、その期の損金にすることが出来るのは、たったの4千円となってしまいます。
(例1)
応接セット1組(28万円)を3月(決算月)に購入し、直ぐに使い始めた。応接セットの耐用年数は5年で、定額法により償却する。
定額法・耐用年数5年の償却率:0.2
当期の償却月数:決算月に購入してすぐに使い始めたので1ヶ月
当期の償却額(損金となる額):280,000円×0.2×1ヶ月/12ヶ月=4,666円

ところが、少額減価償却資産の特例を適用すると、28万円全額が当期の損金となるのです!
(例2)
応接セット1組(28万円)を3月(決算月)に購入し、直ぐに使い始めた。応接セットの購入価格は28万円であり、30万円未満であったため、少額減価償却資産の特例を適用した。
 当期の損金となる額:280,000円

ご覧いただいた通り、(例2)の方が、当期の損金が27万円超も多くなりますね。決算前に駆け込みで資産を取得した場合などに、大きな効果を発揮します。
この制度、取得価額が30万円未満である減価償却資産であれば適用できますので、器具及び備品、機械・装置等の有形資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形資産や、中古資産であっても対象となります。

しかし、誰でも際限なく使えるわけではありません。
以下、この制度を適用するための要件や、留意事項をお話しさせていただきます。

○少額減価償却資産の特例適用の要件
まずこの制度は、以下の2点を満たしている法人(または個人事業主)でなければ使うことが出来ません。
要件1)青色申告承認申請書を税務署へ提出し、税務署からその承認を得ている法人  
要件2)資本金の額が1億円以下で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
※ 青色申告承認申請については、以下のブログもご覧ください。
http://www.shinjuku-ku-kagurazaka-tax-cpa.com/blog/2016/07/post-6-272311.html

○30万円未満かどうかは、税抜価額・税込価額のどちらで判定するの?
これは法人が適用している消費税等の処理方法によって変わってきます。つまり、法人が税抜経理を適用している場合は、消費税等抜きの価額により判定することとなり、一方、法人が税込経理を適用している場合は、消費税等込みの価額により判定するとなります。
なお、消費税の免税事業者となっている法人(設立2期目以前の法人や売上高1,000万円未満の法人など)は、必ず税込経理をしているはずなので、消費税等込みの価額で判定することとなります。

○特例を受けられる上限は300万円
この特例の適用を受けられるのは、1事業年度で300万円までとなります。
従って、(ありえない話ですが)1事業年度で応接セット(1組28万円)を12組買った場合、10組目までは全額を損金とすることが出来ますが、11組目と12組目は原則通り固定資産に計上し、減価償却計算を行うことが必要となります。
(例3)
 280,000円×10組=2,800,000円 < 3,000,000円
 280,000円×11組=3,080,000円 > 3,000,000円
→ 10組目までは少額減価償却資産の特例を適用することが出来るが、11組目以降は上限の300万円を超えてしまうため、特例を適用することが出来ない!

なお、設立1期目や決算期変更を行った場合等、事業年度が1年未満となる場合には上限額はその分小さくなるので注意が必要です。
(例4)
3月決算法人だが、当期が設立1期目で、6月に設立した。
当期の月数:10ヶ月
特例適用の上限額:300万円×10ヶ月/12ヵ月=250万円

○損金経理が要件となっている
「損金経理が要件」とは、「法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することが必要」ということです。従って、決算書上は利益を出したいから資産として計上し、法人税の計算上は別表調整で損金とするということは認められませんので、気を付けてください!!

○購入して使い始めた事業年度に損金としてください!
少額減価償却資産の特例は、購入して使い始めた事業年度において、その取得価額の全額を損金とすることができるという制度です。従って、使い始めた事業年度においていったんは資産として計上し、その後の事業年度で全額損金経理をしたとしても、税金の計算上は損金として扱うことはできません!

長くなってしまいました…。最後までお付き合いいただき、有難うございます…。
気を付けなければいけないポイントはいくつかありますが、とても便利な制度です。是非、活用してくださいね!

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2016.07.08更新

みなさん、こんにちは神楽坂公認会計士税理士事務所の品川です。
今年の夏は猛暑になるみたいですね…、7月上旬からすごい暑さです。
そして猛暑といえば、翌年の花粉症です…(猛暑の翌年は、花粉の飛散量も増えるらしい)。花粉症の方は、年明け早めに対策しておいた方が良さそうですよ。

さて、今日は、青色申告について、お話ししたいと思います。
「聞いたことはあるけど、税務署に承認をもらわなきゃいけないし、面倒でまだやってない」という方は、このブログを読み終わったら、直ぐに青色申告の申請をしてください!とてもメリットの大きな制度なのです。

青色申告の特典の主なもの(個人事業主編)
1. 青色申告特別控除
これは、所得税の計算上、売上から経費を差し引いて計算した事業所得の金額から、65万円を控除できるという制度です。例えば、売上が600万円、経費が300万円だとしたら、税金は235万円(=600-300-65)に税率をかけて計算することとなります。
従って、所得税の税率が10%の場合、青色申告をするだけで6万5千円(65万円×10%)も税金が少なくなることになります!
但し、確定申告書に貸借対照表と損益計算書を添付して、確定申告期限内に提出することが必要となりますので、貸借対照表を作るのは少しハードルが高いかもしれません。
なお、不動産所得や山林所得が少しあるけれど、事業規模ではないという場合は、控除額は10万円となります。

2. 青色事業専従者給与
青色申告ではない場合、生計を一にしている家族にお金を渡した場合、それが給料なのか、生活費なのか、はたまた小遣いなのかを区別することが難しいことから、家族に支払った給与を経費にすることが出来ません。しかし、青色申告の場合、労働の対価として家族や親族に支払った給与を、経費とすることが出来るのです!

3. 純損失の繰越と繰戻し
事業所得が損失(マイナス)となってしまった場合、その損失額を翌年以降3年間にわたって繰り越すことが出来ます。例えば、1期目で事業損失となってしまい、2期目で利益が出た場合は、2期目の利益から1期目の損失の金額を差し引いた残額で税金を計算することが出来ます。
例)
1期目 300万円の損失
2期目 500万円の利益 
→ 2期目の税金の計算上、2期目の利益額500万円から、1期目の損失額300万円を控除できる!

また、去年は沢山利益が出たけれど、今年は赤字になってしまったという場合には、その損失額を前年に繰り戻して、前年の所得税の還付を受けることもできます。
事業をしていれば良い年も悪い年もありますから、業績が良かった年に過去の損失を繰り越せるというのは、青色申告の最大のメリットです!

4. 30万円未満の減価償却資産の即時償却
通常、減価償却資産を購入すると、その資産を使う一定の期間にわたって経費処理することが必要となります。このため、儲かった年に資産を購入して経費を増やそうと思っても、購入額の全額が経費になるわけではないので、意外に節税効果は少ないものです。しかし、青色申告をしている場合、その資産が30万円未満であれば、購入した年に全額を経費として処理することが認められます。

青色申告の特典の主なもの(法人編)
1. 青色欠損金の繰越控除・繰戻還付
ある事業年度で損失が出てしまったら、その損失を翌年以降9年間にわたって繰り越すことが出来ます。また、前年に利益が出て、その翌年に損失が出てしまった場合、損失を繰り戻して、前年に納めた法人税を還付してもらうことが出来ます。

2. 30万円未満の減価償却資産の即時償却
30万円未満の資産を購入して事業に供した場合、その事業年度に全額を経費処理することが出来ます。

3. 特別償却・税額控除
資産の特別償却や税額控除など、様々な制度があります(具体的な内容は、毎年の税制改正で大きく変わります)。

一方で、青色申告には若干のデメリットもあります。そもそも青色申告は正確に帳簿を付けてきちんと納税してくれる人には、税金の計算で優遇しますよという制度なので、税金の計算上、有利な特典を受けられる代わりに、こちらもきちんと帳簿を作成することが必要となるのです。

青色申告承認申請の期限
青色申告の適用を受けるためには、税務署に申請書を提出し、税務署から承認をもらわなくてはいけません。しかも、申請書には提出期限があって、この期限を過ぎると税務署は絶対に認めてくれないのです(どんなに交渉しても無理です…)。

(個人事業主の場合)
原則 … 青色申告の適用を受けようとする年の3月15日まで
開業時 … 業務を開始した日から2ヶ月以内

(法人の場合)
原則 … 青色申告の適用を受けようとする事業年度開始日の前日まで
開業時 … 設立から3ヶ月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで

例えば、7月1日に会社を設立した場合、9月30日までに申請を出さなければいけません。10月1日以降に申請をした場合、青色申告が認められるのは第2期の確定申告から、ということになってしまいます。第1期目は損失になることが多いので、青色申告の承認を受けそびれて、この損失を繰り越せないとなれば非常にもったいない話です…。開業時こそ税理士と相談して、手続き漏れがないようにしたいものですね。

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2016.06.30更新

みなさん、こんにちは神楽坂公認会計士税理士事務所の品川です。
3月決算の会社の申告もひと段落して、ホッとする時期です。

さて、今日は「個人事業主が開業前に開業準備のために払った費用は、経費になるの?」というテーマでお話しさせていただきます。

開業にあたっては、事前に色々と準備が必要になりますよね。例えば、
・オフィスや店舗の改装工事、ホームページの作成
・営業のためのチラシや名刺の作成
・開業のための打ち合わせ
・備品の購入 などなど。

これらの費用はもちろん開業後の事業経費として認められますので、領収書はしっかり保管しておきましょう。
開業のどのくらい前のものから経費として認められるかというご質問をよくいただきますが、これについては実際に開業準備のために支払ったものであれば、いつのものであっても経理算入できるとお答えしています。ですが、「開業準備の打合せで使いました!」と言って、数年前の飲食代の領収書をお持ちいただいても、「本当に開業準備の打合せだったのかな…?」と疑問に思われてしまいますので、特に飲食代については開業半年前くらいまでとするのが妥当です。

では、開業前にかかった費用は、開業後、どのように処理するのでしょうか。支払った費用の内容に応じて、2通りありますのでご留意ください。

ケース1)オフィスや店舗の改装工事、機器の購入のために支払った費用
設備投資に係った費用は、開業前に支払ったものであっても、固定資産として計上し、数年にわたり減価償却計算によって経費処理していくこととなります。設備投資に係る処理は、開業前に購入したものについても、開業後に購入したものについても同じとなります。

ケース2)チラシや名刺の作成代、打ち合わせのための飲食費、備品購入代
これらの費用については、開業した日にいったん「開業費」(繰延資産、貸借対照表の勘定)として処理します。そして、この開業費は、いつでも自由に、好きなだけ経費に算入することが出来ます。従って通常は、利益が出るまでは「開業費」(繰延資産)のままにしておいて、利益が出た事業年度にその利益の額を上限として「開業費償却」(経費)として処理するのが一般的です。
 例 開業費が500だった場合
   1年目の利益 △200 → 開業費はそのままにしておく
   2年目の利益 +300 → 開業費を300だけ償却して経費処理する
   3年目の利益 +400 → 残りの200を償却して経理処理する
所得税は累進税なので、理論的には、利益が沢山出て税率が一番高い事業年度で開業費を償却するのが一番節税効果が高くなるのですが、こればっかりは結果論ですからね…。将来のことは分からないので、利益が出た事業年度に償却してしまうのが良いと思います。

なお、法人の場合は、
・法人の設立登記までにかかった費用(定款作成代や、設立登記の登録免許税等)→創立費(繰延資産)
・法人設立後、事業を開始するまでにかかった費用(事業開始前の研修費、市場調査費等)→開業費(繰延資産)
と処理することとなます。
一方、設立のどのくらい前の費用から「創立費」として処理することが認められるかという点については、法人税基本通達上に、設立期間が不相当に長い場合は、設立期間中の損益を会社に計上することは出来ないと規定されていることから、3ヶ月前の費用までとするのが一般的です。
また、創立費と開業費の処理方法については、税法上、いつでも自由に好きなだけ経費処理することが出来ることとされています。

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2016.03.31更新

お花見の季節、そして新生活がスタートする季節になりましたね。

4月からの新生活、フレッシュな気持ちでスタートしたい!けど、そういえば確定申告するのをすっかり忘れてた…、、、なんて方もいらっしゃるかも知れません。
でも、大丈夫です!
確定申告を3月15日までにできなかったとしても、意外にペナルティは大きくないのです!

今日は、確定申告を3月15日までにしなかった場合の取扱いについて、お話ししたいと思います。

確定申告は3月15日までにしてくださいということになっていますが、3月15日を過ぎても、もちろん確定申告を行うことは出来ます(これを期限後申告といいます)。
期限後申告をすると、期限内に申告をしなかったペナルティとして、本来納める税金に加えて、「無申告加算税」と「延滞税」を追加で納付しなければいけません。

ここで「無申告加算税」は、納付が遅れたことに対するペナルティのようなもので、納付する税額が50万円以下の場合はその15%、50万円を超える部分についてはその20%として計算されます。
(例)所得税の金額が70万円だった場合
  50万円×15%+(70万円-50万円)×20%=11万5千円

しかし、税金の世界は、自分から適正な納税をしようとする人には、何らかの救済措置を用意していることが多いのです!
期限後申告であっても、税務署の調査を受ける前に自主的に申告をした場合には、この無申告加算税が納税額の5%に軽減されます。先ほどの例だと、70万円×5%=3万5千円となり、税務署に注意されてから行うより8万円も少なくて済むこととなります。

さらには、次の1と2の要件の両方を満たす場合、無申告加算税は課されません(無申告加算税の不適用)。
1. その期限後申告が、法定申告期限から1ヶ月以内に自主的に行われていること。
2. 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
一定の場合とは、
・期限後申告に係る納付すべき税額の全額を3月15日までに納付しており、かつ
・5年以内に無申告加算税又は重加算税を課されたことがない場合
をいいます。

こちらについては、以前は「法定申告期限から2週間以内」であったのが、「法定申告期限から1ヶ月以内」に延長されました!
でも、「期限内に全額を納付している」という要件があるので、うっかり確定申告を忘れてしまっていた人には、適用は難しいでしょう。

一方、「延滞税」は、納付が遅れた期間に対する利息のようなもので、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、以下の割合により計算されます。

 納期限の翌日から2月を経過する日まで 所得税額×2.9%(※)
 納期限の翌日から2月を経過した日以後 所得税額×9.1%(※)
(※)割合は市場金利と連動して毎年変わります。

延滞税の金額については、国税庁のホームページ上で簡単に試算できます。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/entaizei/entai.htm#keisan

要するに、3月15日までに確定申告できなかったとしても、自主的に期限後申告をすればそんなに怖いことはない!ということです。でも、申告・納付が遅くなればなるほど、延滞税は大きくなってしまいますから、気づいた時点で早めに済ませてしまうのが良いでしょう。

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.11.19更新

みなさん、こんにちは神楽坂公認会計士税理士事務所の品川です。

そろそろ、年末調整の季節になりますね。
あっという間の1年でした・・。
今日は、年末調整に関していただくご相談について、お話ししたいと思います。
たまに、「去年納めた保険料を、去年の年末調整で申告し忘れてしまったのですが、それって今年の年末調整で控除できるの?」というご質問を頂きます。

残念ながら、昨年納めた分は、今年度の年末調整では控除できません。去年の年末調整での多額の申告漏れに気が付いた場合には、自分で去年の所得について確定申告(期限後申告)を行うことで、税金の還付を受けることが出来ます。つまり、去年納めた保険料は去年の所得からしか控除できないので、改めて去年の税金を計算し直し、その結果、税金が減った分については還付を受けることが出来ます。

一方で、去年未納となっていた国民健康保険料や国民年金保険料を今年に納付したという場合には、今年の年末調整で控除を行うこととなりますので、今年の年末調整での申告をお忘れなく!
年末調整では、納付の目的となる年度ではなく、実際に保険料を支払った年度の所得から控除することになります。

年末の慌ただしい時期ですが、「この保険料の納付を申告し忘れた!」ということがないように、今年の年末調整は控除申告項目をしっかり確認して頂く事をおすすめいたします。

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.10.22更新

今回は、損益計算書についてです!

以前の記事「決算書って何?」で、損益計算書とは「いつからいつまでの間にいくら儲けたか」を示す決算書だとお話ししましたが、損益計算書の具体的なイメージは、こんな感じです。
当期の損益計算書

売上高 200
売上原価 △140
売上総利益 60
   
販売費及び一般管理費 △50
営業利益 10
   
営業外収益 3
営業外費用 △15
経常利益 △2
   
特別利益 20
特別損失 △15
税引前当期純利益 3
   
法人税等 △1
当期純利益 2

基本的に、一番上の行と一番下の行を見て、「200円の売り上げがあがって、最終的に2円儲けたんだな」と把握していただければOKです。
貸借対照表よりも分かりやすいですよね!

それだけでは物足りないという方のために、もう少し詳しく見てみると、、
・収益は、「売上高(販売額)」、「営業外収益(ex.預金の利息)」、「特別利益(ex.固定資産の売却益)」の3つに、
・費用は、「売上原価(ex.仕入)」、「販売費および一般管理費(ex.家賃、人件費)」、「営業外費用(ex.借入利息)」、「特別損失(ex.固定資産売却損)」の4つに、
分けられます。

そして利益は、
・ 売上総利益 = 売上高 - 売上原価 … いわゆる「粗利」というもの
・ 営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費 … 本業で稼いだ儲け
・ 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 … 毎期繰り返し経常的に発生する収益と費用を加味した儲け
・ 税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 … 臨時的に発生した利益や損失もすべて加味した当期の儲け
・ 当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等 … 税金の支払まで加味した最終的な当期の儲け
の4種類が表示されています。

これをもとに、もう一度、損益計算書を見てみましょう。
すると、「本業からは利益が出ているのに、営業外費用が大きいから経常利益はマイナスになっちゃったな。やっぱり借入金の利息負担は重いな…。でも、経常利益はマイナスになったけど、特別利益を20円計上しているのが効いて、当期純利益はプラスになった!良かった、良かった!」と、さっきまでは見えてこなかったストーリーまで色々見えてくるわけです。

決算書1つ1つに色々な物語があるものです(涙)。

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.10.22更新

良い貸借対照表とは?(その2)の続きです!

ではでは、B社の貸借対照表は、なぜ不健全な状況になってしまったのでしょうか?

 

むしろここからが本題です!これからビジネスを始めようというあなた!順調なスタートを切るためには、以下の点に気をつけてください!!

 

まず、直接の原因は、建物という回収にとても時間のかかる資産を買うのに、短期の借入をあてがってしまったことですよね。

借入をする時は、何を買うための借入なのか、いつ頃までに返せるのか、をよく考えなくてはいけません。

ですから、たとえば建物を買うためにお金を借りるならば、必ず長期の借入をする必要があるのです!

 

では、なぜB社では長期の借入をすることが出来ず、短期返済の借入をすることになってしまったのでしょうか。

これについては、資本金(自分が出した元手)が大きなカギを握っています。

銀行だってお金を貸す以上は、必ずそれを回収しなくては!と思っているわけですから、

「この人なら絶対に返してくれるだろうな」と思う相手には、長期の貸付を沢山してくれるでしょう。

でも、「この人はちゃんと返してくれるか分からないな、ちょっと心配だな」と思う相手には、貸してくれたとしても短期の貸付を少しだけ、ということになるのです。

ここで、銀行がその人にお金を貸して安心か、心配かを判断する時に重要な要素となっているのは資本金の金額なのです。

つまり、資本金が大きければ銀行の安心レベルが高まり、長期の貸付でお金を借りることができるけれど、資本金が小さいと銀行の心配レベルが高まり、長期でお金を借りることが難しくなるのです!!

 

さらには、買った建物の金額(400円)と資本金(100円)の金額のアンバランスも問題です。

沢山の設備投資をするならば、それなりに自分の元手を厚く用意しなければいけないということです。

「あまり元手は用意できないけど、大々的にビジネスをスタートしたい!」と思っても、お金を借りるのが難しくなってしまいますからね。

 

資本金は1円からでも会社を設立できる時代になりましたが、

豪華な内装をして店舗をオープンさせたい!とお考えのようでしたら、資本金は厚めにしておいた方がその後のビジネスがスムーズにいくと思いますよ!!

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.10.22更新

では、次のB社の場合はどうでしょうか?

B社

 資 産   負 債
 現金  50  買掛金  150
 商品  150  短期借入  350
 建物  400  資 本 金  100
 合計  600  合計  600

まず、B社の場合、建物400円を買うためのお金を、どのように工面していますか?

自分の元手である資本金100円と、短期の借入350円から捻出されていますよね。

B社のケースでは、この借金が短期の借入であるということが、とっても大きなポイントとなっているのです!!

ここで、短期の借入とは、1年以内に返さなければいけない借金をいいます。

 

B社は、この借金を期日までにちゃんと返せるでしょうか??

B社が直ぐに用意できるお金は、商品を売りさばいて得た代金180円(150円の商品に30円の儲けをプラスして180円で売ったとする)と、手元の現金50円の合計230円です。

これに対して、B社が直ぐに支払わないといけないのは、買掛金150円と短期借入350円の合計500円となっています。

……お金が足りてないですよね。

 

こうなったら、建物まで売り払って借金を返すしかないのか?!

でもこれって、ビジネスを始めるために借金をして建物を買ったのに、その借金を返すために建物を売り払うという、何ともおかしな状況ですよね。

 

つまりB社のお金は「投資→儲けを得て回収→再投資」という循環に乗れていないため、B社の貸借対照表は健全ではない!と言えるのです!!

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.10.22更新

では、どういう貸借対照表だと、その会社は健康的だと言えるのでしょうか??

そもそも事業とは、集めたお金を何かに投資し、+αのもうけを得たうえで、お金を回収することの反復です。

つまり、会社にとって何よりも重要なのは資金繰りで、お金が「投資→回収」プロセスを滞りなく循環している会社は、健康的だと言えるのです!!

逆に、お金の循環がスムーズにいかない会社の場合は、ちょっと気を付けないとね、ということになります。

 

以下の例を見ながら、具体的に考えてみましょう!

A社

  資 産   負 債
 現金  100  買掛金  150
 商品  200  長期借入  100
 建物  300  資 本 金  350
 合計  600  合計  600

 

貸借対照表の右側(負債資本金)は「どうやってお金を工面したか」を、左側(資産)は「そのお金を何に投資したか」を表しますね。

ここで、資産や負債の並び順には意味があって、

資産は、投資したもののうち、現金として回収しやすい順に、

負債は、工面したお金のうち、早く返さないといけない(早く支払わないといけない)順に

並んでいます(ちなみに、資本金は自分で出した元手なので、誰かに返す必要はないですね)。

 

A社では、すぐに払わないといけない買掛金150円については、手元のお金100円と、商品を売った代金の一部を使って払えるので、特に心配はありません。

また、現金として回収するのにかなり時間のかかる建物300円については、返済不要な元手である資本金350円の範囲内で賄えているので、安心ですね。

さらに、借入100円も長期の借入なので、返済しなければいけないのはまだまだ先で、これから獲得する儲けの中から十分返していけるでしょう!

このため、A社はかなり健康的な会社であると言えるのです!!

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

2015.10.22更新

今回は、貸借対照表についてお話しします!

貸借対照表は、英語でBalance Sheetというので、これを略して貸借対照表をBSと呼ぶこともあります。

 

前回、貸借対照表は「会社の財産一覧」だとお話ししましたが、イメージとしてはこんな表です。

   資 産    負 債
   流動資産    流動負債
   現金  100    買掛金  80
   売掛金  50    固定負債
   商品  150    長期借入金  500
   固定資産    純 資 産
   建物  300    資本金  300
   土地  400    利益剰余金  120
合計 1,000 合計 1,000

 

表の右側(負債純資産)は、どうやってお金を工面したかを、表の左側(資産)は、工面したお金で何を買ったか(どうやって運用したか)を示しています。

この時、工面したお金の合計1,000円と、運用した金額の合計1,000円が必ずバランス(一致)することから、貸借対照表は英語でBalance Sheetというのです!

 

この貸借対照表を言葉で説明すると、

「まず、300円を元手にしてビジネスを始めました。でも300円だけだと足りないので、銀行から500円借りました。

こうやって工面したお金で土地と建物を買って、商品を売っています。

今、150円分の商品を持っていますが、この仕入代金のうち80円はまだ払っていません。また、この前商品を売りましたが、その商品代金のうち50円をまだ払ってもらっていません。

こんな感じで商売をしていて、これまでに累計で120円儲けまして、手元にはお金が100円残っています。」

という具合です。

 

貸借対照表を見れば、会社がどうやってお金を工面して、どう運用しているかが、良く分かると思いませんか?

あなたもご自分の会社の貸借対照表と語り合ってください!!

投稿者: 神楽坂公認会計士税理士事務所

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